クイニョン（ビンディン省）に来ると、美しいビーチや雄大な風景を探索できるだけでなく、数千年前に遡る古代のチャム塔を鑑賞することもできます。中でもタップドイは常に多くの観光客が訪れる代表的な建築作品の一つです。 

タップドイはクイニョン市の中心部に位置し、面積最大６千平方メートルの広大な空間にあり、観光客が訪れるには理想的な条件となっています。これはビンディンに残る８つのチャンパ塔群のうちの一つであり、独特の宗教的色彩が染み込んだチャンパ文化の建築遺跡群でもあります。 

タップドイ遺跡管理委員会に保管されている文書によると、この塔はフン・タイン塔としても知られ、その歴史は１２世紀後半から１３世紀初頭にまで遡ります。これは古代チャンパ王国の宗教建築作品です。チャム語では寺院や塔はカランと呼ばれ、王が神を崇拝するために建てた霊廟を意味します。ここで崇拝される神々は各王の信仰と献身によって、破壊の神シヴァ、人間の頭と象の体を持つ祝福の神ガネーシャ、または仏陀になります。しかし、古代チャンパ社会には王権と神権政治が組み合わされていたため、多くの塔が依然としてチャンパ王を崇拝していました。 

この塔は２つの塔を含む独特の構造をしており、大塔の高さは約２５メートル、小塔の高さは２３メートルあり、両方の塔の正門は南を向いています。この塔は焼いたレンガを特殊な接着剤でしっかりと貼り合わせて建てられており、チャム族特有の独特の建築技術であり、現在でも解読することができません。塔は３つの主要な部分で構成されています。塔の基部は石のブロック（大塔）とレンガ（小塔）がしっかりと積み上げられています。 塔の四角い本体と湾曲した上部は、しっかりと詰まった焼成レンガで構成されています。

大きな塔に関しては、その形は非常にバランスが取れており、本体と屋根の両方にわずかにくびれたフリンジが繊細に処理され、建築レイアウトがよりタイトになり、両側には２１体の人形が組み合わされた対称的なパターンで装飾されています。フリンジがとても生き生きと見えます。塔の屋根と胴体を隔てる部分には瞑想する僧侶の姿が装飾され、その両側には象が対称的に描かれています。チャム族の几帳面さは、まさにこの国の文化的アイデンティティを表していると感じさせられます。

小さな塔は大きな塔と同じ構造ですが、屋根の上の踊り子たちの代わりに、１３頭の鹿の群れが描かれており、非常にいたずらっぽく、活気に満ちています。

今日、タップドイはチャンパ族のユニークで洗練されたシャープな建築だけでなく、観光客の心に文化的価値を残しているため、国内外の観光客をますます惹きつけています。チャム族の女の子たちの踊りが復元され、訪れた人に披露し、体験をより活気のあるものにしました。

• 文、撮影：カイン・ロン/ベトナムフォトジャーナル